2017年6月10日土曜日

実機評価でバグ発見! 〜 オーディオI/F編

はじめに


筆者がいたASICの世界では、製品の仕様から論理設計はお客様の担当、論理設計から先が半導体メーカーの担当、という分担となる場合が多いです。

そのようなビジネスの場合、デバイスがお客様が作成したテストベクタ通りに動くことは半導体メーカーで確認できますが、仕様として正しく動くかどうかを確認するのはお客様の担当となります。

製品仕様をお客様が策定する場合、動作仕様を正しく半導体メーカーが理解するのは無理なんです。

そのような製品開発では、半導体メーカーの試作評価は、製造テストをにらんだLSIテスターのみ、ということになり、実装機を使った実使用条件での評価は行いません。

このようなASICの世界にいた筆者ですが、以前「2相クロックの罠」のエントリーで書いた評価用チップの評価以外に、2製品で実装機評価を担当したことがありました。そしてその2製品で、担当した機能ブロックにバグがありまして、まるで当時から将来このような記事を書けと言われていたかのような歩留まりの良さ(笑)でありました。

その2製品のうち、片方は筆者がバグを発見、片方はバグを発見できず、お客様の評価でバグが見つかった、という状況でした。

今回のエントリーでは、私がバグを見つけた、という製品について書きます。オーディオI/Fに潜んでいた、非同期のクロックドメインをまたぐデータ転送のバグに関する話です。