この判定をすることをテストと読んでいます。「テスト」という単語はとても一般的な単語ですが、半導体設計製造の世界で「テスト」というと、主としてこのことを指します。
良品・不良品の判定をするということは、ここで不良を見逃すと、お客様のところに不良品が出荷されてしまうということから、とてもシビアな業務であると言えます。
判定のスペックを決めるための色々な業務として以下のようなものがあります。
- 試作品評価による動作検証
- 各種特性取得(DC特性、AC特性)
- 取得したデータの処理とデータの吟味
- 特性が設計目標値を満足しているかどうかの認定
- 判定スペック決定
- スペックを入れ込んだ量産テストプログラムの作成
- お客様への製品納入時の選別条件のお約束をする納入仕様書作成
- 量産工程への公式な製造仕様ドキュメントとして設計部が発行する製造図面の作成
これら、帳票類の整備などの様々な業務も含めた業務をテスティング業務と考えて、これらの業務全般がテスト担当者のミッションとなります。
さらに、大規模なLSIのテストを効率的に実施するための、様々な仕掛けを製品の中に入れ込んでおくテスト容易化設計のための様々なアドバイスを製品設計者に対して行うこともあります。
このテスト容易化設計は、大規模な製品を少ない時間で効率的にテストをするために必須の考え方で、この検討が行われていないと、量産工程の能力を不必要に落としてしまったり、最悪テストが出来ない、ということになりかねません。
業務範囲に関しては、会社によって異なるようです。上記は私が所属していた会社での例です。とある会社ではLSI設計者は一切テストにはタッチせず、試作着工後に設計ドキュメントとデータを以てテスト担当部署に業務移管する、という話も聞いたことがあります。これから何回かに分けて、このテストに関する話をご紹介したいと思います。