2017年2月19日日曜日

時短ってなんですか? 〜テストタイムのおはなし

テストの話が続きます。なにせ現役時代一番長くやってた仕事なので、それだけお話ししたいネタも多いのです。

時短とは?


時短ってなんですか?ということですが、ここではLSIテストに於ける時短についてのお話を書きます。LSIテストに於ける時短とは、LSIのテストにかかる時間、テストタイムを短くする活動、ということです。

このテストタイム、どれだけ短く出来るかが、テスト業務をやっている人にとってはかなり重い課題です。

2017年2月10日金曜日

メモリーテスト〜フェイルビットマップに関する補足

以前のエントリーでSRAMのテストについて書きました。

この中で、テスターにSRAMのアドレス端子を教えてあげれば、不良を起こしているメモリーセルの物理的な位置を知ることの出来る、フェイルビットマップという便利なものがある、というような内容の説明を書きました。

これについて、若干補足したいと思います。

2017年2月6日月曜日

番外編〜テストにまつわる技術系派遣社員のはなし

1月に、前にいた職場の仲間と年に一度の集まりをしまして、近況報告をしあったのであります。

今回は参加者が少なくて、筆者を入れて5人、そのうち4人がテスト業務経験者という、随分と偏った集まりでありました。そのうち2人が技術系派遣会社に在籍して、派遣社員としてテスト業務に従事しているようであります。

そこで聞いた話によると、職場にいる若い人材、標準で用意されたテストメソッドを使うだけならいいんだけど、そのテストメソッドも中で何をやってるのか理解していないとのこと。

ん〜・・・

前回のエントリーで、テスト自動化を立ち上げようとして上手くいかなかった話を書きました。

その中で、
ちなみに近年のLSIテスターでは、標準的なテストメソッドはテスターメーカーが供給するライブラリに入っていて、GUI仕立ての画面でテストメソッドのアイコンをひもで繋げるとフローが完成、スペックはスプレッドシートから入力、という使い方が普通です。 
プログラムをユーザーが編集するような事は、特殊なテストをしなければならないとき以外ありません。
ということを書きました。こういう世界では、テスターから供給される標準的なテストメソッドは、トラブルがなければ特に中身を知る必要がないと言えばないわけですね。

しかし、せめて、ある測定をする場合には、どのような手順で測定がなされているのかが頭の中にあったうえで、提供されたテストメソッドを使うのでなければ、何かトラブルにあったときに対応できないですし、そもそもエンジニアとしてどうなの?ということになると思うんですよね。技術の幅も広がりませんね。

この先、世の中どうなっちゃうんだろう?と思わずにはいられないひとときでした。

技術を磨かないと、技術系派遣社員の人たちは仕事がもらえないですよ。

2017年2月3日金曜日

初めて量産出荷を担当した話のつづき

前回の「初めて量産出荷を担当した製品のはなし」の中で、普通ならしなくてもいい苦労をしたと書きました。

その中で前回の投稿ではウエハテストで水晶発振回路のテストをしたことを書きましたが、今回の投稿では、ASICの製品シリーズ立ち上げ期で道具立てがあちこちで不完全だったがための苦労について書こうと思います。

ASICのビジネスは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が特定用途向けのICの略であることからもわかるように、特定顧客、特定用途向けにLSIを開発して販売するビジネススタイルとなるので、多品種少量生産となります。

他品種少量生産のビジネススタイルで事業をするためには、開発の期間、評価の期間、量産立ち上げの期間をできる限り短くして、お客様に早く製品をお届けしなければなりません。

これに対応するために、論理設計では標準セルライブラリーや各種の機能ブロックライブラリー、実負荷タイミング検証ツール、レイアウト設計では自動配置配線技術、EDAを使ったレイアウト検証技術を使って開発期間を短縮していきました。

テストにおいても、開発期間の短縮、量産立ち上げの短縮のために、テストプログラム/テスト図面の自動生成ツールというものを、設計部、生産技術部、そして生産技術研究所を巻き込んで開発していました。そして、そのツールのβ適用製品が、私が初めて量産出荷を担当した製品だったというわけです。

製品シリーズの立ち上げというものは、最初の頃は製品開発のためのインフラストラクチャーの開発から始まりますが、いつまでもインフラの開発だけ、というわけにも行かず、ある時期からは実際の製品の開発が並行して走るようになります。

つまり、道具立てがしっかり立ち上がっていなくても、それとは別に製品は出荷しなければならないわけです。

しかしそんな重たそうな仕事が、なんで新人に毛の生えた程度の業務経験しかない私なの?っていう気もいたしますけどね。

2017年2月1日水曜日

初めて量産出荷を担当した製品のはなし


 このエントリーでは、初めて自分が主担当で量産品の出荷立ち上げを担当した製品のことを書こうと思います。

今まで何回かに渡って特性評価について書いて来ましたが、それは実は今回のエントリーを書くための前準備でもありました。何せ、量産品の出荷の話となると、電気的特性の測定に関するいろんな事が出てくるので、事前に書いて置いた方が良いだろうと思ったのです。

会社に入って、業務実習という形で親会社の製品設計部門へと送り込まれ、256ピンのLSIソケットのハンダ付けから始まった筆者の技術者人生でしたが、第2回目のエントリーでご紹介した評価用LSIの機能・特性評価業務を経て、外部のお客様向けの製品を担当することとなります。

最初に担当した量産品は、とあるアーケードゲームの会社向けのCPU搭載ASICでした。ただ、出荷形態が通常製品と異なることや、当時参画していたCPU搭載ASICの製品シリーズの立ち上げ過渡期で、製品開発の道具立てがあちこちで不完全だったことなどから、普通ならしなくても良い苦労を色々と強いられた思い出深い製品です。